マクセルがAppleを訴えた特許を読んでみる (US7203517 Wi-Fiアシスト)

マクセルがAppleを訴えた特許15件のうち、AppleWi-Fiアシストとして提供している、不安定な通信方法を他の通信方法で代替する技術(特許番号7,203,517)を読んでみました。

 

 

 

特許の内容

携帯機器の状況に応じて、通信方式を自動で切り替える発明です。

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例えば、クレーム9の内容は以下の通り。

 

異なる方式に対応した2つのインターフェースがあります。

 

これらのインターフェースを

・それぞれのインターフェースの通信可否

・携帯機器の移動速度

・携帯機器の位置

に基づいて選択します。

 

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ただし、どちらのインターフェースを優先するかを設定することができます。

 

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マクセルが侵害を主張するApple製品 

この特許のクレーム9、10を、AppleWi-Fiアシスト直接侵害および間接侵害していると主張しています。

Wi-Fi アシストについて - Apple サポート

 

 iOS 9 以降では、Wi-Fi アシストを使って、Wi-Fi の接続状況がよくないときに自動的にモバイルデータ通信に切り替えることができます。 

 

Wi-Fi アシストのオンとオフを切り替える
Wi-Fi アシストはデフォルトでオンになっています。Wi-Fi の通信状態がよくないときに iOSバイスでインターネットに接続し続けなくてもよい場合は、Wi-Fi アシストを無効にすることができます。

 

通信可否に応じてWi-Fiとモバイルデータ通信を切り替えています。

ただ、移動速度や場所の情報も使って切り替えているか否か、Appleサポートページから分かりませんでした。

 

元々はどんな出願だった?

最初からWi-Fiとモバイルデータ通信の自動切り替えに関する内容でした。

 

書誌事項

出願日:2003-07-24 (優先日 2002-08-01)  
登録日:2007-04-10

権利満了日:2024-11-29

発明者:下田 慎一

 

特許公報

patents.google.com

 

日本語で読みたい人は、特開2004-072136 からどうぞ。