マスク着用時のFace ID (US10896318)
Appleがマスク着用時の顔認証に関連する特許を取得したという記事がありました。
そこで記事で紹介されていた特許を読んでみました。
特許の内容
顔の一部が指、手、髪、マスク、スカーフで覆われている場合であっても、顔認証の処理効率を落とさないようにする発明です。
まず、照明でユーザの顔を照らしながら撮影します。
次に、撮影した画像からランドマークマップを生成します。ここで、ランドマークとは、目、鼻、口などの顔の特徴部分のことです。ランドマークマップは、解像度は撮影した画像より低解像度にします。
その次に、撮影した画像からオクルージョン(occlusion)マップを生成します。オクルージョンマップでは、顔が何かで覆われた領域を表し、解像度は撮影した画像より低解像度にします。
顔の隠れた領域が閾値を超えている場合は、ロック解除を無効にします(クレーム4)。
登録になったクレームを読んでみると、ヒートマップの記載がありません!
むしろ、顔の覆われている領域が大きすぎると、顔認証を無効にしてしまうようです。
一方、実施例の記載では、ヒートマップを使って、マスク着用時も口の位置を推定することが記載されています。
出願した2018年には、世界がこんなことになるとは知る由もなかったでしょう…。
マスク着用義務化↓の流れに合わせて、マスク着用時の顔認証で権利化すれば良かったのになあ。
予想する製品
実施例に書いたのに、そこで権利を取っていないってことは、ヒートマップを使って、マスクの上から顔認証するのは、技術的に難しいのかもしれません。
書誌事項
特許番号:US10896318 、公開公報:US20190080149
出願日:2018/3/23
登録日:2021/1/19
発明者:Gernoth; Thorsten (San Francisco, CA), Fasel; Ian R. (San Francisco, CA), Tajbakhsh; Touraj (San Jose, CA), Wu; Jia-Chi (Santa Clara, CA)