パーソナライズド検索(US2021/0240786)
ユーザーの検索履歴やユーザーが過去にアクセスしたWebサイトなどの情報に基づいて、ユーザーに最適な検索結果を出す「パーソナライズド検索」という機能があります。
Appleから、この「パーソナライズド検索」機能について出願されていたので、読んでみました。
特許の内容
検索結果を、属性 (attributes) や最近の行動(recent user behavior)に基づいてスコアリングして、そのスコアリングに基づいて表示する発明です。
具体的には、以下の通りです(クレーム1)。
・クライアントが生成した検索結果と、サーバーが生成した検索結果を結合して、検索結果を生成します。
・それぞれの検索結果項目に、ランキングスコアが生成されます。
ここで、ラインキングスコアは、検索結果項目の対応する属性 attributes に基づいて生成されます。
・最近のユーザーの行動の情報に基づいて、検索結果項目の関連値 relevance value(例えば、関連が強ければ+1, 関連が弱ければ-1) を決定します。
・ランキングスコアや関連値に基づいて、検索結果の個人スコアを求めます。
・この個人スコアに基づいて、検索結果を表示します。
属性とは、例えば[0031]~より
・デバイスにインストールされているアプリや、保存データ、場所情報
・ユーザが検索結果項目に興味を示してからの時間
・検索結果とデバイスの距離
・文字列の一致割合 入力文字列の長さ/一致文字列の長さで、例えば、"hot"と入力した場合、"hotel azure"のスコアは、"hot"/"hotel azure"=3/11=27%となります。
・サーバースコア サーバーが検索結果項目に割り当てた数値スコア?
・連絡先関連性スコア 連絡先との通話等の頻度
・場所重要度スコア
・観光客の確率 エリア内の観光客か住人なのか
などです。
将来の製品
検索結果の最適化
ユーザーのデバイス保存されている情報やユーザーの行動から、ユーザーごとより最適化された検索結果を得られるようになりそうです。
プライバシー強化
クライアント側で処理することでプライバシー強化にも気を使っているようです。
WWDCの基調講演の中でも、データ処理をできるだけデバイス上で行い、プライバシー保護を図ると話していました。
Source: WWDC 2021 — June 7 | Apple - YouTube 48:39 Privacy
Amazon にも Amazon Personalize というサービスがあります。
Amazon Personalize は、アプリケーションを使用するユーザー向けに個別化したレコメンデーションを簡単に追加できる、開発者向けの機械学習サービスです。このサービスには、Amazon がパーソナライゼーションシステムの構築で培った膨大な実績が反映されています。
Amazon Personalize は、さまざまなシナリオで使用できます。たとえば、ユーザーの嗜好や行動に基づくレコメンデーションの提供、結果のパーソナライズによる再ランク付け、E メールや通知のコンテンツのパーソナライズなどに使用できます。
Source: Amazon Personalize とは - Amazon Personalize
Amazonは個別化処理をクラウド上で処理を行うはずなので、処理をどこで行うかでAmazonとAppleに違いがありそうです。
書誌事項
発明の名称:Client-Side Personalization of Search Results
出願日:2020年2月5日
発明者:Pendse; Saurabh V.; (San Jose, CA) ; Saccardo; Giacomo; (Santa Clara, CA) ; Dizon; Jason; (Cupertino, CA) ; Huang; Bernard K.; (San Jose, WA) ; Singh; Manmeet; (Sunnyvale, CA) ; Nag; Sayantini; (Mountain View, CA) ; Hajj; Usama M.; (London, GB)
公開公報:US2021/0240786