ネットワーク分割と割当の管理(US2021/0211974)
Appleから5Gなどのネットワーク系の出願が多いような印象があります。
ネットワーク分割と割当の管理 (network slice quota management, NSQM) という公開公報があったので読んでみました。
出願の内容
ネットワーク・スライシング (Network Slicing)についての出願です。
まず、スライシング (Slicing) と クオータ(quota)について簡単に説明します。
ネットワーク スライシングとは?
1つのネットワークリソースを仮想的に分割(スライシング)し、用途に応じたサービスを提供できるよう複数の論理ネットワークとして提供する技術です。
出典:総務省「将来のネットワークインフラに関する研究会」(第3回) 中尾構成員提出資料
クオータ(quota) とは?
複数のユーザがリソースを共有しているときに、各ユーザごとに割当てられる容量などの上限のことです。
Appleが取りたい権利範囲
どこから読んでいいのかわからないので、ひとまずクレームを読んでみます。
まず、クレーム1です。
第1のネットワークスライスに、容量情報 (capacity information) が保存されています。
第1のネットワークスライスは、
追加の容量 (additional capacity) があるかどうかを示す要求 (request) を受信し、
追加の容量があるかどうかを示します。
これって当たり前じゃないの・・・?
続いて、クレーム2。
容量情報は、
・第1のネットワークスライスに登録されているワイヤレスデバイスの数 current number
・第1のネットワークスライスに登録できるワイヤレスデバイスの数。
うーむ、これも普通のことを書いてあるだけのような・・・。
気を取り直して、クレーム3とクレーム4。
登録されていないワイヤレスデバイスが新たに登録されたら、
ワイヤレスデバイスの現在の数を示す容量情報をインクリメント(+1)する。
登録を解除されたら、
ワイヤレスデバイスの現在の数を示す容量情報をデクリメント(-1)する。
次に、クレーム5。
容量情報は、以下の情報を含む。
第1のネットワークスライスで確立されたアクティブな active パケットセッションの現在の数。
第1のネットワークスライスで確立された休止状態の dormantパケットセッションの現在の数。
第1のネットワークスライスで確立できる allowedパケットセッションの数。
実施例は具体的に書いてあるので、審査を経ながら徐々に取りたい権利範囲を狭めていく作戦でしょうかね。
将来の事業
Appleが基地局の事業に進出して、Huawei、エリクソン、ノキアと競いあう?
マクロセル基地局のシェア(出荷金額)
近い将来に世界征服か。
書誌事項
出願日: 2020-12-29 (仮出願日:2020-01-03)
公開日: 2021-07-08
発明者: Prabhakar; Alosious Pradeep; (Singapore, SG) ; Venkataraman; Vijay; (San Jose, CA) ; Kiss; Krisztian; (Hayward, CA) ; Nimmala; Srinivasan; (San Jose, CA) ; Xing; Longda; (San Jose, CA) ; Ruiz; Jordi Agud; (Meguro-ku, JP)
公開公報:2021/0211974