濡れていると充電してくれない充電器(US2020/0319675)

AirPods Proは、耐水・耐汗仕様ですが、多量の汗や水がかかった後は、充電ケースに入れる前に拭き取るように注意書きがあります。

AirPods Pro の耐汗・耐水性能について - Apple サポート

イヤホンに汚染物質が付着したり濡れたりしたまま、充電すると金属の接点が腐食してしまうためです。

 

本特許は、イヤホンや時計などのウェアラブル機器が濡れているときは、充電を強制的に止める発明です。

 

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特許の内容

充電器 (a docking station 100) は、

イヤホン (an accessory 200)の有無

・イヤホンとの接続部の水分の有無

を検出することができます。

 

イヤホンあり、かつ、接続部に水分なしと検出されたときのみ、充電が可能になります。

 

イヤホンの有無は、コンデンサへの充電時間で検出します。

イヤホンが接続されていないときは、コンデンサC1だけなので、接続部CONTACT1が速く充電されます。

イヤホンが接続されているときは、コンデンサC1コンデンサCACCが並列接続されているので、接続部CONTACT1の充電に時間がかかります。

つまり、充電に時間がかかったら、イヤホン有りと判定されます。

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水分の有無は、放電にかかる時間で検出します。

乾燥している場合は、電流源140の電流I1を止めた後、抵抗R1とコンデンサC1とCACCの時定数で、接続部CONTACT1の電圧が低下していきます。

水で濡れている場合は、リーク電流が流れるため、より早く電圧が低下します。

つまり、放電に時間がかかったら、濡れていないと判定されます。

 

製品の予想

濡れていたら充電してくれない充電器。

AirPods Pro が濡れている場合は充電しないでください」とあるので、今のところAirPodsが濡れていても充電を止める機能はないみたいです。

 

書誌事項

出願日:2019/8/14 (仮出願日:2019/4/2)

発明者:Beckham; Brandon J.; (Santa Clarita, CA) ; Sanchez Barba; Gabriel; (Hawthorne, CA) ; Yilmaz; Isikcan; (Los Angeles, CA)