マクセルがAppleを訴えた特許を読んでみる (iPhoneカメラの画角調整と手振れ補正)
マクセル、Appleを12件の特許侵害でさらに訴える〜訴訟対象は合計27件にという記事がありました。
今回は 電子式カメラ(特許番号8,736,729) を読んでみました。
特許の内容
クレーム1の日本語訳は以下の通り。(省略や入れ替えしている個所があります)
ピクセルのアレイを有する撮像素子と、
カメラの手振れを検出する画像振れ検出器 (image-instability detector)と、
撮像素子の有効ピクセルを使って、所定の画角(view angle)を有する画像信号を形成する信号処理ユニットと、
信号処理ユニットが生成した画像信号に対応する画像を表示する表示ユニットと、
を有し、
信号処理ユニットは、
静止画撮影モードでの監視中に、
撮像素子の第1の有効なピクセルを使って、第1の視野角の画像信号を生成し、
静止画撮影モードでの記録中に、
撮像素子のすべての有効ピクセルを使用して画像信号を形成し、
動画撮影モードでの記録中に、
撮像素子の一部である第2の有効なピクセルを使って、第1の視野角とは異なる第2の視野角の画像信号を形成し、
手振れ補正のために、カメラの手振れ量に応じて、第2の有効ピクセルの位置を変更する、
カメラ。
要するに、静止画と動画の撮影で、2つの点が異なります。
1.有効画素
静止画を撮影するときは、イメージセンサのすべての画素を使って撮影します。
動画を撮影するときは、イメージセンサの一部の画素を使って撮影します。ここで、選択される一部の画素は、手振れを打ち消す方向にずらします。
2.画角
静止画撮影モードと動画撮影モードで、異なる画角が選択されます。
マクセルが侵害を主張するApple製品
iOS 12とiOS 13が、本特許のクレーム1を侵害していると主張しています。
静止画撮影、プレビュー、動画撮影で、撮影範囲が切り替わるようです。
iPhone のカメラの機能について - Apple サポート
書誌事項
出願日:2012-11-20 (優先日 2000-01-11)
登録日:2014-05-27
権利満了日:2020-03-08
発明者:中野 孝洋、西村 龍志、衣笠 敏郎